JACCCO✖️ゼンショーホールディングス共同企画「日中青年交流活動の現場」を開催

2025年10月5日、青年交流事業部の活動の一環として、ゼンショーホールディングスとJACCCOの共同企画「日中青年交流活動の成果」を、日中友好会館にて開催しました。

本共同企画は、ゼンショーホールディングスの全面的な支援のもと、日本とアジアの協力に尽力する青年団体・メンバーをサポートするために昨年より開始し、今回で第3回を迎えます。
当日は、日中青年交流事業の参加者や各団体のOB・OGをはじめ、日中関係に問題意識を持つ多くの若者が集いました。

刈間文俊 JACCCO理事

最初に報告したのは、日中学生会議の亀井達允さんです。亀井さんからは、この1年間の日中学生会議の活動について紹介がありました。第44期生が運営を担い、「架橋~対話から知り、明日に伝える。戦後100年の日中関係へ~」をテーマに活動を展開してきたとのことです。日本と中国の戦争の記憶の継承や歴史認識問題を中心に、互いに学び合う機会を多く設けてきたことが報告されました。

日中学生会議・亀井達允さん

亀井さんの報告では、ディスカッションの場で、中国出身の学生から日本人学生に対して、「日本は被害の歴史を過度に強調していて、加害の歴史を教えていないのでは」との質問がなされた場面も紹介されました。それに対して、日本人学生からは、「歴史の授業だけでなく、課外学習などを通して、日本の戦争加害と被害の歴史の双方を学ぶ機会があった」との応答があったということです。

また、日中学生会議では、両国の歴史資料館の訪問や平和セミナーも実施しました。日本の「長崎原爆資料館」、中国の「九一八歴史博物館」を訪問した後、両国の学生同士でディスカッションを行いました。双方の立場に立つことで、自らを客観的に見つめ、相互理解を深める議論を交わすことができたと、亀井さんから説明がありました。

続いて報告したのは、AFPLAの若林学さんです。若林さんからは、AFPLAの活動内容と2025年に東京で開催された第18回国際会議について報告がありました。

AFPLAは、東アジアの5大学(東京大学、北京大学、復旦大学、ソウル大学校、国立台湾大学)の学生が毎年夏に一堂に会し、政治や外交などについて議論する国際会議を2007年から開催しています。2025年の国際会議では、「政治」「経済」「社会」「歴史」「外交」の5つの分科会に分かれて議論が行われました。

AFPLA・若林学さん

若林さんは、今回の会議を通して、東アジアの共通基盤として「漢字」「思想」「若者文化」があることを認識したと報告しました。とりわけ、若者文化に含まれるアニメ・漫画・ドラマなどのコンテンツが、相互理解のツールとして大きな役割を果たしているとの手応えを強く感じたといいます。

また、AFPLAは一時期、活動の継続が危ぶまれたこともありましたが、今年の国際会議には80名以上の参加者が集まり、盛大に開催されたとのことです。若林さんは、多くの人に支えられていることを実感したと語りました。今後も国際会議を継続していくため、参加大学の枠を広げる必要性を感じており、香港大学やシンガポール大学の加入も検討していると説明しました。

最後に報告したのは、東京大学と北京大学の学生から構成される「京論壇」で代表を務める玉井春希さんです。玉井さんからは、京論壇の活動の歩みと、今年の夏に東京で開催されたフォーラムについて報告がありました。

京論壇は、日中関係が冷え込んでいた2005年に、両国間に横たわる課題を率直に議論するための場として設立されました。当初は年に1度の合宿を行い、そこで顔を合わせて議論を行ってきました。コロナ禍以降は、対面交流の重要性を再認識し、夏は東京で、春は北京で、それぞれ1週間の合宿を実施しているとのことです。

京論壇・玉井春希さん

今年の夏の東京フォーラムでは、「東アジアの地域秩序」「教育」「21世紀の伝統文化」の3つの分科会を設けて議論を行いました。日本や中国の「らしさ」を作り出している要因とは何か、既存の国際秩序が大きく揺れ動くなかで日中が目指すべき未来とは何かなど、さまざまなテーマについて議論を交わしたことが紹介されました。

「教育」の分科会では、東京大学と北京大学の学生のキャリア観についても話題になったということです。玉井さんによると、東京大学では官僚志望の学生が今も一定数いる一方で、北京大学では経済エリートを目指す人が多いそうです。しかし、両者ともにノブレス・オブリージュの精神を共有しており、進路は異なっていても、国の未来を支えていきたいという志は共通していると語りました。

3団体による活動報告の後は、日中学生会議のOBでもある勝隆一さんが講評を行いました。勝さんは、各学生団体が工夫を凝らして活動を行っていることを高く評価した上で、「卒業後にも日中をはじめとする日本とアジアの交流活動を続けていってほしい」と期待を寄せました。

続く意見交換では、JACCCOの瀬口清之理事がモデレーターを務め、3団体の発表者と勝さんを交えて議論が行われました。そこでは、各団体の取り組みをいかにより多くの人たちに共有していくかという「波及力」と、学生団体で活動する期間だけでなく、卒業後もどのように熱量を持って活動を続けていくかという「持続性」が議論の中心となりました。

各団体の活動内容の認知を広げることや、交流活動を一過性のものとしないために、卒業後も含めた一人ひとりの活動の持続性などが話題に上がり、OB・OGとの連携強化や、メディアへの周知などの必要性について意見が交わされました。

その後、この日のイベントに参加した外務省、日本国際交流センター、日中友好協会、中国塾など、青年交流を支援している機関のメンバーやジャーナリストからも、登壇した3団体に対して質問やコメントが寄せられました。

終了後は、第二部として立食形式の交流会が開催されました。団体の枠組みを超えて、各団体のメンバー同士が交流を深める様子が、会場のいたるところで見られました。