連載
「紅楼夢」の料理談義
―名作を舌で味わう―(その12)

紅楼夢梗概 紅楼夢は、没落した地方の名家の子供として、一八世紀の初めに南京で生まれた曹雪芹の作品である。紅楼夢は、別名「石頭記(せきとうき)」と呼ばれ、一八世紀末に書かれたとされる。現在、紅楼夢は一二〇章からなるとされる […]

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連載
「紅楼夢」の料理談義
―名作を舌で味わう―(その11)

お菓子の「作り方」と象徴的意味  紅楼夢に登場するお菓子は、焼き餅(第六五章)や月餅(第七五章)、あるいは粽(第三一章)など、我々に馴染みのあるものも見られる一方で、どういう作り方をしたのかは、当時の食あるいは料理につい […]

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連載
「紅楼夢」の料理談義
―名作を舌で味わう―(その10)

お菓子の効用  紅楼夢には、いくつかお菓子が登場する。月餅や焼き餅など、ありきたりの物も登場するが、中には、内容がかならずしも明らかではなく、翻訳に困難をきたすような物も登場する。 他方、紅楼夢の中でお菓子がどのように使 […]

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連載
「紅楼夢」の料理談義
―名作を舌で味わう―(その9)

様々な果物類  紅楼夢に登場する果物は、単に「果物」とされ、具体名が出て来ない時もあるが、果物名まで登場する例を、それを食したと思われる登場人物とともに列挙すると、ほぼ次のようになる。 桃(宝玉、「ご隠居」)第一一章茘枝 […]

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王敏 参与
午年(うまどし)の今年を「天馬行空」の年に――保食神と馬の誕生

「天馬行空(天馬てんば、空くうを行く)」という成語は、発想や精神の自在さを表わす言葉として知られている。ところが東アジアの神話世界を眺めると、この言葉は単なる比喩ではなく、文字通り「天と地を翔かける馬」として登場する。本 […]

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小倉和夫評議員
「紅楼夢」の料理談義
―名作を舌で味わう―(その8)

吸い物の妙味  中国料理ではお吸い物(中国語の「湯(たん)」)が重要な地位をしめてきたように、紅楼夢の中でもしばしば登場する。  もっとも、食事の一環として出される吸い物、あるいは汁ないしスープとは別の「湯」もある。たと […]

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小倉和夫評議員
「紅楼夢」の料理談義
―名作を舌で味わう―(その7)

粥にも文学的味  粥は、中国料理になくてはならぬ存在だ。富める人も貧しき人も、北方であれ南方であれ、朝食でも夜食でも口にする。  一説によると、中国人は、6000年以上前、いわゆる石器時代からお粥を食べていたという。その […]

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エッセイ
巳年の終わりに、蛇に一礼

 ヘビは漢字で「蛇」、干支では「巳」。姿も字面も、どこか含みをもって響き合う。十二支で六番目、細長い体で音も立てず、脱皮を繰り返しながら生き延びるその在り方は、古来、人々に再生や底知れぬ生命力を想像させてきた。「神の使い […]

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小倉和夫評議員
「紅楼夢」の料理談義
―名作を舌で味わう―(その6)

蟹の宴と詩歌の夕べ  中国には、「香橙螃、蟹の月、新酒菊花の天」という言い回しがあり、秋の季節に「橙、柚子の香りを愛で、蟹を賞味し、月を眺め、新酒を味わい、菊を鑑賞する」楽しみを表現している。  まさにこの精神を体現して […]

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小倉和夫評議員
「紅楼夢」の料理談義
―名作を舌で味わう―(その5)

紅楼夢と鴨料理  中国料理といえば、焼いた鴨肉を甜麺醤をベースとした甘い味噌で和えて包んで食べる「北京ダック」を想起する人も多いほど、鴨料理は人気が高い。ただし、中国で鴨というのは通常日本でいう「アヒル」をさし、日本では […]

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「紅楼夢」の料理談義
「紅楼夢」の料理談義
―名作を舌で味わう―(その4)

茄鯗(かしょう)の謎解き  紅楼夢に登場する料理で、最も有名と言えるものは、第四一章に登場する奇妙な料理、中国語で「茄鯗(Jia Xiang)」という料理である。 「茄」はナスであるが、「鯗」は普通の辞書には載っていない […]

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連載
「紅楼夢」の料理談義
―名作を舌で味わう―(その3)

燕巣料理の功能  中国料理の中で高級な珍味としてもてはやされてきたものに、燕の巣の料理があることは広く知られている。  中国語では「燕窝」と書くが、今日のインドネシアなど、東南アジアの海岸の岸壁や洞窟などに燕が作った巣を […]

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「紅楼夢」の料理談義
「紅楼夢」の料理談義
―名作を舌で味わう―(その2)

「シャム豚」と「シャム茶」  普段から出入りの大商人から賈家が受けた年賀の進物のリスト、紅楼夢第53章に書かれたその「目録書」には、既に触れた鹿肉のほかに、「シャム(暹羅)豚」20匹と書かれていることが目をひく。  また […]

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連載
「紅楼夢」の料理談義
―名作を舌で味わう―(その1)

西遊記、三国志演義、水滸伝と並んで、中国の四大奇書の一つと言われる「紅楼夢」は、一八世紀末に曹雪芹そうせつきんによって書かれた作品であること(正確に言えば、現存の作品の80章まで)はよく知られている。 王家とも縁続きの大 […]

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エッセイ
中国伝来「碧筩杯(へきとうはい)」を今も味わう日本

 「碧筩杯」ってご存じですか、「へきとうはい」と読んでいただきます。竹冠の漢字「筩」は筒の意味があります。唐代の名作『酉ゆう陽よう雑ざっ俎そ』(著作・段成式)に記録された酒の飲みかたです。蓮があれば飲めます。蓮の葉を傷め […]

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エッセイ
周恩来との再会

 周恩来は青春期の1917年秋から1919年春にかけて、「中国の奮起のために学ぶ」という雄志を抱き日本に留学しました。  1918年2月25日の日記に、周恩来は留学の目的を書き留めました。「進化の軌道に従って、大同に最も […]

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エッセイ
水神に護られている戸田の町

 荒川の左岸に開ける埼玉県戸田市には暮らしにつながる近世以前からの旧跡が多いことに驚かされます。散策の折、お寺や神社、鳥居が目に留まると、立ち止まって調べてみます。戸田橋北詰め(川岸1丁目)の「水神社」もその一つ。住居に […]

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エッセイ
シンガポールで「千鳥舞」

 2023年9月8日、東南アジアの中心地シンガポールで十数カ国と地域が参加して「2023年和合文明論壇――文明の多様性と現代――」が、国際儒学聯合会(会長;劉延東中国元副総理⦅現在は孫春蘭元副総理⦆、理事長;福田康夫元総 […]

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エッセイ
日本で見つけた中国⑤

中国における文明間交流に対する新たな動向  中国では長い間、中国文明と西洋文明との関係をどう位置づけるかは難しい課題でした。この難題も、最近は地球上にさまざまな文化、文明が起こり、交流し合い、啓発し合って、世界文明は発展 […]

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エッセイ
日本で見つけた中国④

周恩来の文化遺産「日本は美しい文化を持っている」  日本文化の特徴を一言でいうのは難しいが、周恩来がどう認識していたのかは大変気になる。対日観に結びつくテーマでもあるが、「日本は美しい文化を持っている」(『周恩来外交文選 […]

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王敏 参与
日本で見つけた中国③

日中をつなぐ伝統文化 石碑  飛鳥時代(593~710年)以降、 中国から伝来した石碑文化が日本に根付いている。日本の大地を見渡すと、さまざまな種類の石碑が広く分布し、ほとんどに漢字が刻まれている。こうした無数の石碑は静 […]

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エッセイ
日本で見つけた中国②

蚕種渡来の祭り「蚕種祭」―始皇帝の子孫と忌宮神社―  山口県下関市にある忌宮(いみのみや)神社では毎年3月28日、盛大な「蚕種(さんしゅ)祭」が催される。幸いなことに筆者は2016年に、この「蚕種祭」に参加することができ […]

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エッセイ
日本で見つけた中国①

中国の九尾の狐が日本に「逃げて」からのこと 九尾すしの話 1991年の春、私は授業のために毎週東京から静岡県の日本大学に通っており、いつも新幹線に乗って三島駅で降りていた。あるとき、駅の商店に並んでいる弁当の中に、色鮮や […]

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