「紅楼夢」の料理談義―名作を舌で味わう(その8)
吸い物の妙味
小倉和夫 国際交流基金顧問
中国料理ではお吸い物(中国語の「湯(たん)」)が重要な地位をしめてきたように、紅楼夢の中でもしばしば登場する。
もっとも、食事の一環として出される吸い物、あるいは汁ないしスープとは別の「湯」もある。たとえば、「酸梅湯(さんめいたん)」がある。これは、甘酸っぱい一種の薬湯で、酔いつぶれた湘雲がふらふらしていると、酔い醒ましに濃いお茶を飲み、さらに「醒酒石」を舐めた後、酸梅湯を飲んでおり(第62章)、ここでは、酸梅湯は酔い醒ましの薬湯として用いられている。


