「紅楼夢」の料理談義―名作を舌で味わう(その11)
お菓子の「作り方」と象徴的意味
小倉和夫 国際交流基金顧問
紅楼夢に登場するお菓子は、焼き餅(第六五章)や月餅(第七五章)、あるいは粽(第三一章)など、我々に馴染みのあるものも見られる一方で、どういう作り方をしたのかは、当時の食あるいは料理についての史料にあたらないとよくわからないものもある。したがって、時には、翻訳上の困難をきたす例もある。
紅楼夢に出てくる菓子で、このように中身の吟味や歴史的考証が必要かとも思われる主なものを列挙すると、ほぼ次のようになる。

