中国淮安で -緬周恩来 翰墨寄情怀- 師村妙石 荘輝書法篆刻藝術展(後援事業)
2024/4/22
2024年3月5日から17日まで中国の淮安市美術館で、「師村妙石 荘輝書法篆刻藝術展」が開催された。師村氏は1972年に初めて訪中した際、北京の人民大会堂で周恩来総理にお会いしたことがあり、それ以来書道篆刻を通した日中友好活動、中国での巡回展を続けている。今回は淮安を代表する書家、荘輝先生と二人展という形で実現した。淮安は周恩来総理の故郷で、本展主題も周恩来総理であり、地元の人々から多くの注目を集めた。
今回展の期間中、多くの現地の中国人と直接交流する機会があった。3月14日は淮陰師範学院を訪問し、藝術学院の生徒136名、先生10名を対象に師村氏が1時間半の特別講義を実施した。3月17日には展覧会場で師村妙石作品解説交流会が実施され、淮陰師範学院日本語科の生徒21名と先生4名が参加した。この活動は、特に印象深い日中友好活動となった。
最初に師村氏が1972年に周恩来総理と会った時のストーリーを始め、作品一つ一つをゆっくり解説していった。生徒たちの目がキラキラ輝いて、一生懸命日本語を聞き取っていた。「漢字文化は歴史があり、造形的にも素晴らしい、相当レベルの高い文化で、それはあなたたちの中国から生まれた。」という師村氏の発言に、生徒達は感動した様子。会場で甲骨文字や篆書の書作品や現代的なザテンコクなどの作品を前に、74歳の作家自身からの発言は、生徒達の漢字文化への尊敬だけでなく、愛国心や自己啓発など、多くのプラスの効果を引き出していた。特に愛心シリーズの解説は生徒達の心を打ったようだ。「不再戦」の作品の前で、師村氏は平和への希いを語りかけた。国も世代も違う師村氏と生徒達は、この作品解説交流会を通して、平和という一つの目標を確認し合った。活動の翌日に届いた一冊のノートには、生徒一人一人の感想や感謝が綴られていた。「自分もこれから日本語を勉強して、中日友好に貢献していきたいです」という力強い言葉が並んだ。
(文・写真 師村冠臣 西日本書道協会副事務局長)