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福田康夫会長がボアオ・アジアフォーラムに挨拶を寄せました

2025/4/4

 3月26日、ボアオ・アジア・フォーラム2025年日中ビジネス対話が開催されました。当財団宮本雄二理事長は、程永華中日友好協会常務副会長とともに司会を務めました。

 冒頭、福田康夫元日本国内閣総理大臣(JACCCO会長)の挨拶を代読いたしました。福田元総理のご挨拶は、次の通りです。

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​2025年ボアオ・アジア・フォーラム年次総会日中ビジネス対話

 このたび、ボアオ・アジア・フォーラム年次総会の機会に、日中ビジネス対話が開催されますことを、心よりお慶び申し上げます。
 

 私は、かねてより日本と中国の間の対話と交流の減少を心配し、その拡大と深化の必要性を訴えて参りました。しかしながら、今日ほど、その必要性が感じられる時はありません。この意味でも、日中ビジネス対話の開催を心より歓迎致します。
 

 今から80年前、私自身、戦争終結という形で古い時代が終わり、新しい時代を創り出す動きが始まる瞬間を体験いたしました。正に世界の大変動でした。人類は、三度目の世界大戦を起こしてはならないという覚悟の下に、必死になって平和と発展を作りだす仕組みを考えました。それが、私たちが現在享受している国際秩序なのです。現在、その国際秩序が、それを創り出した国の指導者によって壊されようとしております。世界の新たな大変動でもあります。世界の全ての指導者と政府には、現行国際秩序の護持に全力を挙げて頂かなければなりません。


 経済が分断され、サプライ・チェーンが寸断される中で、全世界の発展を支えてきた国際分業が危機に瀕しております。このままでは世界経済は低迷し、縮小することでしょう。それを阻止するための政府の努力が必要ですし、民間
の協力強化が必要です。日本と中国は、自由貿易に代表される国際秩序の護持という大きな共通の目標に向かって共に行動する時を迎えております。

 

 中国の経済発展、特に製造業の発展には刮目すべきものがあり、むしろ日本が学ぶべき時代となりました。同時に日本には、中国が学ぶべきものがまだ沢山あります。経済の発展とともに中国社会も脱工業化、情報化の時代を迎え、日中両国社会は、ほぼ同じ民生問題を抱えるようになりました。お互いに謙虚な気持ちで学び合い教え合うことが本当に必要になりました。今回の日中ビジネス対話において、是非、協力のことを多く語っていただきたいと思います。また協力を阻むものは何かについて、現場の視点から、率直に意見交換をしていただきたいと存じます。そういう皆様方の意見交換を通じ、日中の経済関係が、さらに発展していくことを願って止みません。
 

 今回は、私自身の参加は叶いませんでしたが、次回、皆様とお目にかかり、共に語り合うことを楽しみにしながら、私の、ご挨拶とさせて頂きます。
 

2025年3月26日
日本国元内閣総理大臣
福田 康夫

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