国際儒学連合会主催「和合文明フォーラム2025」の開催
2025/6/13
2025年6月10日、中国の国際儒学連合会(会長は孫春蘭・元副総理)とタイ・中文化促進委員会が共催する「和合文明フォーラム2025」がタイのバンコクで開催され、JACCCO会長である福田康夫・元内閣総理大臣、国際儒学連合会理事長が書面で以下の内容のスピーチを行いました(王敏・国際儒学連合会副会長、JACCCO参与代読)。
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「和合文明フォーラム」における福田康夫会長のスピーチ
尊敬する孫春蘭女史
尊敬するプームタム・ウェーチャヤチャイ様
尊敬するピニ・ザル・ソンパ様
御来賓の皆様
中国・タイ国交樹立50周年の機会に、私の真摯なる祝辞を「代読」という形でお伝えさせていただきたいと思います。
私は、「和合文明」における中国とタイの協力は実りある成果を上げ、アジアと世界の調和と協力の発展の鑑となったと思います。中国とタイの誠実な協力の50年の経験と実践は、本日タイで開催される2025年の「和合文明フォーラム」の最も素晴らしく感動的な提言になることと思います。
中国とタイが和合文明の発展を推進する中で、日本もそれに協力しました。食糧不足の1960年代、当時皇太子だった明仁親王は、ご自身の魚類研究の成果をもとに、繁殖力の強いティラピアの養殖をもって、人々の栄養失調を改善することを提案し、タイに50尾を寄贈しました。明仁皇太子の厚意に感謝するために、タイの華僑は儒学の中の「仁」であり、また明仁皇太子のお名前の「仁」でもある漢字を取り、魚を「仁魚」と名付けました。タイ語では「プラー・ニン」(ปลานิล)と呼び、人々の体と心に栄養を与える誰もが知る大衆食品になりました。近年来、この魚は中国のネット通販でも大人気だと言われています。
古来より、魚は和合の象徴とされてきました。和合の目的は「仁」にあり、「仁」は漢字文明の核心概念です。数千年の時を経て、2025年の「和合文明フォーラム」でも「仁」は欠くことの出来ない役割を果たしています。中国、タイ、日本、そしてアジアは、人類運命共同体を目指して協力し合っています。 これまでの努力を基に、我々は文明を深化させ調和させるメカニズムを共に立ち上げ、中国、タイ、日本から始め、前進し続ける必要があります。
ありがとうございました。
2025年6月10日
福田康夫

写真引用・国際儒学連合会